『こころ「真」論』高岡健・宮台真司(ウェイツ)より
◆「成熟社会」についての宮台真司の解説
近代社会は、ある時期を境に「近代成熟期」「成熟社会」に変わります。人文系では「モダンからポストモダンへ」と言います 。
移行の境目は「モノの豊かさ」の達成です。具体的には、耐久消費財の新規需要が一巡し、普及率が頭打ちになることを指標にします。
「モノの豊かさ」が達成されると、そこから先、何が幸いなのかが人それぞれになります。その結果、消費動機も、宗教動機も、犯罪動機も不透明になります。この不透明さ、すなわち他人の心が見通せないがゆえに、「心の時代」と呼ばれるようになります。
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戦後日本は西側の資本主義経済体制に組み込まれ、順調に経済成長を続けます。経済成長の時代においては経済的に豊かになることがイコール幸せになることである、という大まかな幸福のイメージを国民が共通に描くことができました。
1960年前後には「テレビ、洗濯機、冷蔵庫」が「三種の神器」であり、1970年前後には「自動車(マイカー)、カラーテレビ、クーラー」の「3C」が国民にとっての共通の「欲望」となります。
しかし、2000年に入った現代では爆発的なヒット商品=世代を越えて誰もが欲しがるモノ、が生まれにくくなりました。たとえヒット商品が生まれても、それはごく限られた範囲の人々の間でのヒット商品でしかない。
それはすなわち人々の欲望のかたちが多様化しているから。
人々の欲望のかたちが多様化する時代、それがまさに「成熟社会の時代」なのです。
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