2007年6月17日日曜日

ロハス(LOHAS)とは?

LOHAS(ロハス)とは
Lifestyles Of Health And Sustainability
という英語の略称です。
「健康と持続可能な社会に配慮したライフスタイル」という意味です。

ロハスなライフスタイルとは、「安ければいい」「効率がよければいい」という従来型の選択基準ではなく、「それは自分や他人のカラダに悪い影響を与えないものか?」「それは地球環境にとってマイナスにならないものか?」といった選択基準から消費や行動を決定していくような生活様式を意味します。
具体的には、「オーガニックフード」「地産地消」「環境保護運動」「フェアトレード」「リサイクル」などがロハス的な行動様式のキーワードとなります。

ロハスとよく似た概念にスローライフがあります。
スローライフとは読んで字の如く「ゆっくりと生活すること」という意味。
元々はファストフードに対抗してイタリアで始まった「スローフード(丁寧に調理された食べ物)」を起源として、さらにライフスタイル全体を「効率性と合理性だけを追い求めるのではなく、ゆったりとして文化や暮らしを大切にしよう」という意味合いにまで広げられた概念です。

ロハスとスローフードは多くのコンセプトを共有しており、実際、この二つの言葉はほとんどその違いを区別されずに使われてる場面をよく見かけます。
しかし、本来的な意味合いから言えば、「ロハス」と「スローライフ」は似て非なる概念です。
ではその違いはどこにあるのか。

日本においてロハスを積極的に特集してきた月刊誌『ソトコト』の2007年3月号の記事を見てみましょう。

この記事の中で「スローライフ」は「暮らしをスローダウンさせることであり、あくせく働くことをやめ、緑豊かな郊外でのんびり時間を過ごす」イメージであると紹介されています。
しかし、都会に暮らし、忙しい毎日を送っている人々からすれば「とてもそんなのんびりした生活を送る余裕はないよ。都会の利便性を捨てるわけにもいかないし」ということになってしまい、「スローライフ」は身近に実践することが難しい生活様式であるということになってしまいます。

それに対しロハスは、「『ファスト』な暮らしでも無理なく、楽しく、健康かつ長生きする『スロー』を持ち込むこと。それが『ロハス』の目指すライフスタイルだ」と紹介されています。
たとえばスローの対極にあるかのような、ハイテクやファストなものを、自然やスローな時間と「つながる」手段として活用すること、をこの記事は提案しています。

具体的には、燃料電池車(ハイブリッド・カー)の開発に取り組むトヨタ自動車や、ハイテクと環境を融合させた都市計画を構想する松下電器産業や、自然に優しいエネルギーを用いた住環境作りに取り組む東京電力の担当者が、この記事では紹介されています。

私は日本が志すべき方向性はこのような「ハイテクとスローを融合させたライフスタイル」しかあり得ないと考えています。
我々はイタリアのような「家族と地元の自然を密着的に愛好する」ローカリティをもはや十分に持ってはいません。代わりに日本が他の先進諸国に先駆けて有しているのは、過度に発達したハイテクノロジーとものつくりへのノウハウです。
この長所を生かしながら、豊かな自然と安定した人間関係の再築を志すこと、これこそが成熟社会日本の目指すべき姿です。

戦後60年間の日本はいわばスローライフがその拠り所とするような地域共同体を自ら破壊し続けてきたようなものです。その代わりに、我々は物質的な豊かさ、地域的なしがらみを逃れた自由、日々を便利で快適に過ごすためのハイテク機能、などを手に入れてきました。
そのような近代的文明のもたらす豊かさが行過ぎたために、今度は逆に前近代的なローカリティの温かさを求めようとしたのが「ロハス」や「スローフード」の動きです。

われわれは近代文明によって手に入れた利便性を元に、イタリアの地域共同体に相当するような「豊かな住環境」を再構築していかねばなりません。
そのようにして構築された住環境は、たとえかつての地域共同体に似せて作られたとしても、あくまで人工的に意識的に作り出された「似て非なるもの」です。しかしそれで構わないのです。私たちに残されたのはそのような手段でしかないのですから。

このように意識的に我々にとって快適な住環境を構築しようとする試みを「再帰的近代性」というキーワードで説明することができます。 
「再帰的に」われわれがロハス的に生活する環境を作り出していくこと。
これこそが、先進国日本が率先して切り開いていくべき道なのです。

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