2008年2月20日水曜日

非正社員増加が背景…日本の貧困世帯率ワースト2

経済協力開発機構(OECD)が20日発表した「対日経済審査報告書」は、日本の所得格差の拡大が経済成長に与える悪影響に懸念を示した。特に、所得が低い「相対的貧困層」の割合(2000年)は、OECD加盟国の中で日本が米国に次いで2番目に高いと分析しており、バブル崩壊後の景気低迷で、コスト削減を進める企業がパートやアルバイトなど賃金の安い非正社員を増やしたことが、所得の二極分化を助長させたことを裏付ける形となっている。

 報告書では、OECD加盟国のうち判明した17か国について2000年の相対的貧困率を列記した。最も高い米国が13・7%で、日本の13・5%が続き、次いでアイルランドが11・9%だった。一方、最も低いチェコは3・8%と大きな差が付いた。

 日本の統計上でも非正社員の増加は顕著だ。厚生労働省の毎月勤労統計によると、国内の「パートタイム労働者」は、2000年を100とする指数で、1995年の82・7から2005年は124・6へと大幅に上昇した。一方、主に正社員を示す「一般労働者」は、1995年の103・3から2005年は93・6に低下している。

 報告書は、非正社員の増加による格差の拡大を防ぐために日本がとるべき対策として、〈1〉正社員を増やしやすい雇用制度に改める〈2〉非正社員に社会保険の適用を拡大して所得の増加を図る〈3〉母子家庭などの世帯向けに社会福祉支出を増やす――などを提言した。

 日本政府も、パート労働者の労働環境改善などの「再チャレンジ」政策を打ち出したが、実効性は不透明だ。国内で論議を呼んでいる格差問題について、海外からも警鐘を鳴らされたことで、改めて抜本的な対応策を練り直す必要がありそうだ。

 日本の「相対的貧困率」が米国に次いで2番目に高くなったことについて、内閣府は「算定に使った統計が国ごとに違うため、日本の貧しい層が飛び抜けて多いとは言い切れない」(幹部)としている。

 OECDが日本の基礎データに使った厚生労働省の国民生活基礎調査は「仕送りで生活している収入の少ない学生」や「長期入院患者」も「1世帯」としている。きめ細かい統計があだとなり、他国より「所得の少ない世帯数が多くなりやすい」という。

相対的貧困率ランキング
順位   国 名    相対的貧困率
〈1〉  アメリカ       13.7
〈2〉  日  本      13.5
〈3〉  アイルランド    11.9
〈4〉  イタリア       11.5
〈5〉  カナダ       10.3
〈6〉  ポルトガル     9.6
〈7〉  ニュージーランド  9.5
〈8〉  イギリス      8.7
〈9〉  オーストラリア   8.6
〈10〉 ドイツ        8.0
〈11〉 フィンランド    6.4
〈12〉 ノルウェー     6.0
〈12〉 フランス      6.0
〈14〉 オランダ      5.9
〈15〉 スウェーデン   5.1
〈16〉 デンマーク    5.0
〈17〉 チェコ       3.8

※OECDが調査できた17か国の統計をもとに集計。2000年。対象は18~65歳。単位・%

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